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ランチェスター経営戦略(2)

1.戦わずして勝つ為の順番 

ランチェスター戦略の考え方には経営の勝負はやる前にはついているという考え方があります。
経営プランを実行したときには、「戦う前から必ず勝てる算段としておく」
前準備を重要視し、出たとこ勝負だけは決してしない。
「段取り8分」とか「仕掛かり8分」とか言いますが、この事前準備に時間をかけるのが、ランチェスター戦略の特徴ですから、ランチェスター戦略は「利益の爆発点」に行くまでは、ジワジワ、コツコツと行きます。

その理由として、ランチェスター戦略の目的とする特定の「商品」「地域」「客層」での一位作りにあります。

一位を作るには、まず、戦場である営業地域や市場をきちんと事前調査しないと「勝ちやすき所で勝つ」所がわかりません。
孫子の言うとおりに、できれば「戦わずして勝つ」ことが理想と考えています。
※ 戦うとたとえ勝利しても損害が出ますので。

①  まずは、市場調査、情報収集から入るのが適切。
「経営規模が小さい会社が成功するためには、強い競争相手のいない、市場規模の小さいところでやる」という戦略原則があります。
ランチェスター戦略で経営プラン作りをする場合どこが勝てる場所なのか、調査、情報収集して定める必要があります。
事前のこの調査をきちんとしておかないと、弱者の戦略の活用が難しくなります。

②  戦略原則から経営プランを構築する。
・弱者の戦略を基本に立てた綿密なプラン
・勝つ為の「営業地域の選定」と「戦術投入量の確定」や「中心客層の選定」
・一位を作る為にどれだけに時間を投入するかなどのベース
・商品・サービスの「強み作り」「差別化」とか「ブランド化」・上位会社(強者)や競合に勝てるスキマや強み
などが、一体になって始めてランチェスター戦略を活用できると考えます。

そうなると戦略原則をまずきちんと覚えるのが順番としては最初になると思います。


2. 差別化のコツは敵情報知にあり 

「戦わずして勝つ」「勝ちやすきに勝つ」のが上策であり、自社の商品やサービス、応対をお客さんからライバル会社と「同質化」されて比較される段階で、既に戦略的には宜しくない状態であります。

あえて「競合他社と比較対象に持ち込んで勝つ」という戦略を取るのなら別です。
その場合、明確な他社との差別化、優位性が必要です。
但し気をつけるのは、中小は値段勝負などの体力勝負には入らないこと、立ち入り禁止理由は利幅が薄く儲からないことと、上位企業に二乗で圧力を受けるため。

ランチェスター戦略では、上位企業の圧力を避けるため、他社とは違う土俵で勝負する為、弱者の戦略原則に基づいた「差別化」や「絞り込み」を行いますが、ここで重要になるのは競合他社の情報だと思います。

情報という言葉を語源まで遡ると「敵状報知」を略した言葉であるそうです。
敵の状態を報知する活動とは、敵がどこの場所に何人いて、どういう武器や装備をしているのかを調べて、自軍の将軍や参謀に報知、知らせることです。

たとえば、町の電気小売店なら、近くのヤマ〇電気のような量販店を見に行き、販売員の配置、応対の仕方、服装、人数、正社員かどうか、商品構成、看板商品、価格、アフタア体制、すべて調べ上げて、大手の穴を調べます(必ずあります)。
この時、事実きちんと調べるのが大事で予測や推測は含まれません。

その情報も参考にして、弱者の戦略原則に照らして自社の戦略を組み立てて行きます。
・ここでもあくまでも目標は特定分野での「一位作り」です。
これが自社商圏のライバル会社のやり方を全然研究せずに、強みやUSPとか組み立てても、大手がいたら二乗作用や即応戦をされておしまいです。

敵を知り己を知れば百戦危うからず といいますが、まずは情報を集める所が基本だと思いますが、皆様はどう思われるでしょうか?

■ ランチェスター「弱者の経営戦略」の概念

  弱者は先発会社と差別化し、同じやり方をしない。
  弱者は小規模1位主義、部分1位主義を狙え。
  弱者は強い競争相手がいる業界には決して参入しない。
  弱者は戦わずして勝ち、勝ちやすきに勝つことを狙う。
  弱者は対象を細分化する。
  弱者は目標を得意なもの一つに絞る。
  弱者は軽装備で資金の固定化を防ぐ
  弱者は目標に対して持てる力のすべてを集中する。
  弱者は競争相手に知られないように、静かに行動する。


3. 戦略無き、経営計画は無謀

ランチェスター戦略では、特定分野での「一位作り」を目標としていますので、経営計画を作る時には一位作りを目指した、経営計画を策定していきます。

この時に法則性から、同じ業界の上位に強い競合企業がたくさんいますと、二乗で圧力(注)を受けますので「強い敵とは戦わない」「強い相手とは違ったやり方をする」「勝ちやすきに勝つ」等の「戦略原則」を忠実に守り、戦略に基づいた計画を立てないと、土台から、わざわざ競争の激しい方へ突入するような計画となりますので、業績を上げるのが困難になります。

また、業績を向上させる為に全体の目的と目標を定めて、「経営を構成する要因」毎に「目標」「戦略」「仕組」「戦術」等を、実行期間と数字も明確としながら、実行レベル迄落し込んで策定した作り方をしないと、適切な経営パワーのウエイト配分ができません。

「戦略」無き、経営計画は無謀とは、言いすぎかもしれませんが、「戦略7分に戦術3分」の格言は、計画立案の時こそ重要な原則です。

ちなみに、経営計画を作る事や発表をすることは、手段の一部であり、それ自体は目標や目的ではありません。

もし、経営計画を作る事や発表をすることで業績が上がるならば、上場企業は皆、永続的に業績が上がり続けて行くはずですし、倒産など一社も無いはずです。
ですので、なにをおいてもまず経営者の戦略実力の向上に時間を投入する方が、業績が上がる近道だと思います。


(注)二乗で圧力  自社よりもシェアの多い企業とまともに
   強者の戦略市場で戦うと、法則性から二乗で圧力を受けてしまい、
   社員を5人投入しても、上位企業が10人投入していたら、
   アウトプットされる効果は25対100で4分の1、
   つまり相手の1に対して0.25しか効果が出ない事になる。
   ですから、二乗作用の世界から脱却すべき「差別化」「異質化」
   大事ということになります。

アサヒマネジメント かわばた社会保険労務士事務所
代表 社会保険労務士 川端康浩(第33青経塾)