専門家講座

専門家の連載コラム

短期講座

人を活かすコミュニケーション「コーチング」(1)

「コーチング」という引き出すコミュニケーションについてシリーズでお伝えしていきます。

「COACH」の語源は『馬車』であります。「大切な人を現在その人がいるところから、その人が望むところまで送り届ける」という意味があります。

1840年代には英国オックスフォード大学で学生の受験指導を行う個人教師のことを「コーチ」と呼ぶようになりました。
さらにスポーツの分野で使われるようになったのは1880年代のことで、ボート競技の指導者がコーチと呼ばれ、次々にほかのスポーツにも広がり定着していきました。

現代では馬車はさしずめタクシーでしょうか。徒歩で目的地へ向かうというのは時間もかかるし大変なことです。
特に雨が降っていて大荷物のときなど一台のタクシーがとまってくれるとほっとします。人生も同じで困難に思える問題や超えなければいけない課題に遭遇しているときなど、タクシーと同じように伴走者が応援してくれることで安心感を得て、一人では見えなかった視点を持つことができ前に進むことができます。また平穏なときにも伴走者の数々の問いかけが仕事の価値や人生の意義を考えるきっかけになり、成長の後押しをしてくれます。

社会変化が高速化し、定型的な問題解決能力では限界があるという認識が高まっています。大企業中小企業を問わずひとりひとりの力がますます重要になってきた背景が、指示し与えるコミュニケーションに代わって、相手の中にある答えを引き出すコーチングコミュニケーションを必要としていると強く感じます。

組織の中に今存在するコミュニケーションを一度見直し、価値ある対話に再構築することで組織のポテンシャルは無限に形となって創出すると実感しています。

仕事を通じて部下に成長してほしい、働くことを通じ、生きがいを感じてほしいと願わない経営者や上司はいないと思います。
最近では従業員が感じる満足をテーマに、研修の依頼がくることがとても増えてきました。個人の喜びが会社の喜びと重なりお客様の喜びへとつながっていく、従業員が認められ尊重されるところに始点があるのは、コーチングの基本理念である人間尊重とぴったり重なります。

コーチングの基本理念
1.人は無限の可能性がありかかわり方しだいでさらに開花できる
2.その人が必要とする答えはその人の中にある
3.答えを引き出すには相手を理解し、本人以上に可能性を信じてくれるパートナーが必要である

人間理解に立った効果的な指導によって、一人ひとりの才能を引き出し発揮できるようにすることが、個人の幸せと会社の発展につながってきます。

人とかかわるとき常にこの理念に立ち戻ればコーチングスキルが未熟でも、親身になってかかわってくれる相手に対して、人は心を開き、力を発揮しようと動き出してくれるものです。私もいつもこの理念に立ち戻り、「相手の可能性を信じているか、自分のエゴで相手の成長をイメージしていないか、一番の理解者になっているか」などとチェックしています。

次回はコーチング「未来志向のコミュニケーション」をお届けします。

グリーンコーチ 代表 横山みどり
http://www.coaching-letter.net/

第29青経塾 横山みどり