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ランチェスター経営戦略(6)「戦わずして勝つ為に」
1.「流行りもの・ブーム商品」こそ要注意
ランチェスター経営戦略では自社の得意なものにまず一点集中し、
特徴や強みにある商品や付帯サービスで、
他社とは「差別化」を図る必要があると考えます。
※ 一点集中した後にそのカレゴリーで裾野を広げ、抜きんでる事を目指します。
ですので、ランチェスター経営戦略を会得した戦略社長の方や
講師、インストラクターの間においては、
「流行りもの・ブーム商品」こそ要注意だと考えています。
競争相手との力関係で優劣が決定しますので、
ニーズも欲求も十分にある商品でも、
同じ用途の商品が幾つかある場合は、比較されてしまいます。
※ これは自分が商品を購入する際の判断基準に
置き換えをするとわかりやすいと思います。
比較されると言う事は、競争が起こると言う事ですので、
強い相手が同じ市場にいる場合は「差別化」しないと同質化してしまいます。
「どこで買っても同じ」「どこでも買える」「どこでもやってるサービス」ですと
そこで買う理由は無くなりますので、比較対象で負けてしまう恐れが強くなります。
特に流行りであるからと、「流行り商品」「ブーム商品」に安易に手を出すと、
市場的には伸びているかもしれませんが、
競争相手も同じ事を考えて市場にどんどん参入して来ますから、
競争は激しくなるばかりです。
(※ この時に物理学の法則に従い、二乗という表現をしています。
多数の企業が入り乱れて営業し合う「超競争の激しい市場」
必ずしも「二乗」とは限りません、そういう表現。
場合によっては10乗とかありえます。)
また、流行りやブームが終わると、ヘタすると次の流行り商品を探す必要が出て来ます。
「流行りもの・ブーム商品」には要注意なのです。
逆に「そこにしか無い商品」「そこから買うしかしない商品」
「そこから買いたい商品」「自分の求めているものはそこしか無い」
であれば選択の余地が無くなりますので、比較競争から脱却できます。
たとえば、建築・リフォーム業の場合ですと、
「オール電化」や「太陽光発電」がそうです。
どこでも「オール電化」
どこでも「太陽光発電」
しかも、大手電力会社、メーカー、大規模電機店、など強者がいっぱい。
昔から販売している強い地場の企業だってあります。
手を出していけないというのでは無く、競争原理で判断すべきと考えています。
たとえば、田舎で競争相手が1社もいないのなら、独占も可能かもしれません。
将来の真の一位作りに向けた「顧客作り」商品という位置付けとかなら、
まだ良いかもしれません、それでも「中心客層」に合うかどうか見極めは絶対必要。
せっかく作った顧客が、その後は買ってくれない、という顧客入口ミスマッチもあります。
しかも、都市部などの広域確率戦的地域でそれを行うと、
超確率戦的市場になりますので、強い相手から超二乗圧力を受けてしまうのです。
そもそも「勝ちやすきに勝つ」「強い相手とは戦わない」という、
戦略原則から逸脱しています。
特定の客層を見極めた上で、
比較競争に入らない「商品の決め方」が必要であると思います。
2. 商品ありきは、失敗の元
戦略とは、勝つ為の知恵、ルール、考え方で、
目には見えない「将軍の術」と呼んでいます。
戦術は、目に見える作業、手段、方法、繰り返しの動作になり、
戦略に戦術は従い決定することになります。
たとえば「商品」は目に見えるものですので「戦術」になります。
「商品」は戦略から導く考え方によって決定されるものですから、
・ 自社よりシェアの多い競合会社がAという商品を扱っている、
このA商品の機能は○○と△△で、中心客層は30代の主婦がターゲットだ、
ならば当社は、中心客層を競合の少ない50代後半の主婦に絞り込み、
A商品とは差別化した□□という機能をつけて、その変わりに△△の機能は捨てて、
商品を開発してみたらどうだろう。
というように、戦略原則から出発するのが本来の考え方になります。
これは、客層選定や販売方法の決定にも同じ事が言えると考えますし、
市場や商圏の競争相手と比較してどうかという視点から出発した方が、
「差別化」もできやすく、
後々でも真似されにくいものが構築できると考えます。
※ 戦略の無い競合は表面的な所しか見てこない(見れない)為
それなのに、
始めから「商品」ありきで出発する会社が実際にはとても多いのでないでしょうか。
典型的な例は、住宅産業における「太陽光発電」や「オール電化」市場です。
一部上場の大手ハウスメーカー、地場の電力会社にガス会社、
総合建設、工務店、リフォームなど、
猫も杓子も「太陽光発電」や「オール電化」市場に参入しています。
このような、
誰もが参入できる特に大手企業のいる市場こそ、激しい競争にさらされています。
わざわざ中小企業がそんな市場に参入するのは、競争の海に頭からダイブするようなもの。
※ 大手がブームを起こす時には何か思惑があります。
巷の中小企業の力を使って市場を広げて、広がった所で総取りしようとする戦略等です。
こういう超圧力を掛け合う市場だけは絶対に避けるべき。
※ 投入した労働量が正しく反映されません→二乗作用等
今がブームでこの商品に参入すれば儲かる。と考えて、
安易に参入するのは競争原理を理解していない経営者さんのすること。
競争原理を考えずに、
流行りものだから儲かるだろうと「商品」ありきでスタートすると、
同質化を招き「合見積り」「値引き」等、適正な売上や利益を得る事が難しくなります。
戦略から始まる「商品」決定をしていただき、競争原理を勝ち抜いて頂きたいと願います。
※「太陽光発電」や「オール電化」市場
・やってはいけないという事では無く、メインにすると競争が激しくなる分、
勝ち抜く事が大変になるという事です。
・ 田舎や郡部など分断された特定地域で、シェア総取りの場合はまた別のやり方があります。
・ 「太陽光発電」や「オール電化」にも客層があるので、客層によっては勝ち方が有ります。
・ 販売方法で差別化を図ればまだ勝ち抜く隙間もあります。
一番やってはいけないが都市部での「安値メニュー リフォームチラシ」
3.東芝レグザ・商品の真の用途からの差別化
薄型テレビが安売り競争の激化によって、パナソニック、ソニー、シャープなどの
名だたるメーカーもエクスペリエンスカーブの経験曲線の限界の法則通り、
売っても利益が出ない今、
東芝の薄型テレビ「レグザ」が好調に販売を伸ばしているようです。
この東芝の「レグザ」が他のテレビと差別化を図っている点は「搭載性能」
まず内臓HDが他メーカーの倍の性能があり、単に録画をするテレビでは無くて、
26時間過去に遡り保管中の番組を好きに選択できるそうです。
音質もこだわり、他メーカーは薄型合戦で音質を落としているなか、
国内有数のスピーカーメーカー(フォスター)と開発した映画館なみの高音質を実現。
画像も細かく設定ができ、たとえばユーチューブ画像も補正で綺麗に映るそうで、
こういう高機能を備えた所が支持されて売れているそうです。
実は東芝は、ブラウン管画面のシェアが高かった為に、薄型テレビ競争に出遅れました。
そこで後発である以上、
「他社と同じラインに乗ってもお客様が東芝のテレビを選ぶ必然性がなかったんです。
そこで、原点に戻って、テレビのあるべき姿を作ろうと。我々技術者がやりたいことを、
デザイナーがやりたいデザインをやろうとなったんです」(開発チーム 東芝 本村氏)
と考えて、開発に着手した。
ところが企画段階では「こんなテレビは売れる訳が無い」と社内では大反対であったそうです。
しかし、結果としてはそのこだわりが「ブランド力」となり、
一定客層から品質を支持され、
他の安さや大きさで勝負しているソニーやシャープのメーカーとの競争から抜け出る事になりました。
安さには魅力を感じない、品質志向の客層に支持される事になった事になります。
この成功の要因の一つには、「競争から抜け出た差別化」を図る事がありますが、
それは、値段が安いとか、薄いとか、大きいとか、そういう表面的な所では無い、
テレビとは何か、という用途から出発した「差別化」があると戦略原則から推測します。
かってアサヒビールが「スーパードライ」で、強者キリンのビールシェアを逆転した時も、
ビールの容器が、樽だとか、取手が付いているだとか、
注ぐ時に音がするだとか、そういう競争をしている時に、
「切れ味のある辛口」という、ビールの味という本質的な用途から差別化を行いました。
また、この時の客層の中心は若年層男性でした。客層もシフトしていた訳です。
※ 他にも社員やパート総出で飲食店や販売店に売り込みをかけたなど要因あります。
大塚製薬も強者コカコーラとは違う、健康志向のある「オロナミンC」で、
後発ながら、サラリーマン男性を対象にシェアを拡大しました。
※客層に合わせたCMも打ちました。販売ルートも駅のキヨスクとか重視しました。
容器も小さくしました。これらは皆強者コカコーラとの差別化です。
これらは大量販売系の強者の商品ですが、強い敵とは差別化を行う点では一諸です。
東芝のテレビ「レグザ」のように、差別化をかける時は、
商品の用途、使い道そのものから、差別化を図るべきだと考えます、
特に、弱者はそこを徹低するべきであると考えます。
アサヒマネジメント かわばた社会保険労務士事務所
代表 社会保険労務士 川端康浩(第33青経塾)












